■Top>Myhome

住宅情報化/情報配線




− 8.電話/ISDNバス −

一般的なアナログ電話を利用する方もISDNを利用する方、将来ISDNや ADSLなどへ移行するを考えている方など、電話関連は様々なタイプがある 部分であるため、これらに対応できるような設計についてご説明いたします。 − 1.普段よく利用する電話について − まず基本的には電話機はコードレスやFAXも含めて各部屋で利用できるよう に端子をつけることでしょう。この時、ISDNであっても電話機は一般的な アナログ電話機を利用する方がほとんどでしょう。そのため情報分電盤から各 部屋の情報コンセントに向けて普通のアナログ用の配線工事を行います。 電話端子の部分はこれらの一般的なアナログ電話の工事を依頼すればいいので すがここでの注意点は、一般的には電話配線は2本の線で成り立っています。 このとき2本の線で工事されてしまいますと、例えば後から電話端子を増設し たいときや住宅情報化での基準の4Pバスケーブル(4P=2本のペアが4つ という意味)ではないため、LANケーブルやこれから紹介するケーブルで配 置をした上で2線式の工事を行ってもらい、あまりの線は遊ばせておくように 指示します。この指示をしておかないとコスト削減で勝手にケーブルを変えら れてしまいます。 これにより家庭内の電話配線は情報分電盤に集中させ、そこに家庭用PBXや 家電店で売られている簡易自動切換え器、ISDNの場合にはTAを設置する ことで電話やFAXをどの部屋でも利用できるようになります。 − 2.インターネットへの接続について − ダイヤルアップ接続でインターネットに接続する方はこれも考慮して設計を行 います。アナログ改選であれば電話端子を用意しておけば普通に接続できるこ とはわかります。 次にISDNの場合を考えてみます。最近ではインターネットの同時接続のた めにISDNを導入して、ISDNルーター(ルーター機能付きTA)を用い ることでISDNバスは整備せず、各部屋で同時にインターネット接続を利用 し、ルーターへの接続形態がLANであることから同時に家庭内LANを構築 する方が多いようで、これもおすすめです。 例えばフレッツ・ISDNのような定額接続サービスも始まりましたので、I SDNとルーターを組み合わせることでいつでもインターネットが利用できる メリットもあります。 ルーターを利用せずに1台だけインターネットにISDNで接続できればよい 場合は、TAとパソコンを専用のケーブルで数メーター以内で接続しなければ ならないことがほとんどで、この場合に家庭内の電話配線が情報分電盤に集中 することからTAが設置され、さらにパソコンを置く部屋とTAとの位置が食 い違ってしまう問題が発生してしまいます。この場合はワイヤレスTA子機や ISDNバスを使って、TAをパソコンの近くにもう一台置く方法もあります。 このTAの位置問題は、ISDN&電話ページやハイパーネットワーク構築ペ ージを参考に計画してみてください。 − 3.ケーブルの選択 − ISDNバスや一般の電話配線には「電子ボタンケーブル」と呼ばれる品質の ケーブルがよく利用されます。住宅情報化推奨ケーブルというものもあります。
メディアケーブルの違いと対策

 ・LANケーブル(CAT5)
   価格/高くなってしまう
   品質/高速通信が可能。家庭内LAN
   強度/細いため弱いデメリットがある

 ・電子ボタンケーブル(FCT−U 他)
   価格/一般的なケーブルの価格
   品質/ISDNバス程度は保証できる
   強度/被覆が厚く、強い

 ・住宅情報化推奨ケーブル
   価格/やや高くなってしまう
   品質/10BASEのLANは保証できる
   強度/被覆が厚く、耐久性もある

家の完成後にはISDNを利用し、将来に例えばCATVインターネットやA DSL、新事業の地域無線ネットワーク(WLL)などへの移行を考えますと、 ISDNバスのような数kbps程度の整備では、将来的な転用や変更の際に 対応できなくなってしまいます。そこで、電話やISDNバス、家庭内LAN の全てをカバーするケーブルで、クォリティー性の高いLANケーブルの配置 をおすすめします。 コスト面や耐久性を考慮すると電話/ISDNの部分にはFCT−Uを採用し、 家庭内LANにはLANケーブル、テレビ系の配線を基準の2本入れるとして、 これらの4本で構成する方法もあります。詳細は下の施工例をご覧ください。 ・部材参考資料(ケーブル1)
適正部材:UTP(LAN)ケーブル (CAT.5)
施工方法: UTPケーブルは、ツイストペアという2本の線をねじってあるケ
ーブルでカテゴリーというランクがあるように、とても扱いには注
意しなれければいけないケーブルです。そのためケーブル固定金具
のステップル等は打たないようにすることが重要です。

将来的にギガスピードネットワーク製品が広まると思いますから、
もしそこまで対応させるのであれば、配置するのもいいでしょう。
CAT5ランクで1000BASEクオリティーまで対応するギガ
スピードケーブルに「エンハンスド UTPケーブル」があります。

注意事項:
LANケーブルは伝送特性の関係からとても基準の高いケーブルで
す。配管を利用しない場合には写真のようなケーブル固定金具「ス
テップル」などを利用した施工は状況により特性が低下しますので
施工指示をしておくといいでしょう。


・部材参考資料(ケーブル2)
LANケーブルは品質の問題上とても芯線が細く、住宅メーカーや関連会社な
どは長期的なケーブルにかかるストレスなどを考慮して、以下のケーブルによ
る配線を推奨しているようです。電話/ISDNバスとして専用にケーブルを
設定し、LANへの転用はないものとする場合は次の部材を利用するとコスト
面と信頼性の面で良いと思います。
適正部材:FCT−U(電子ボタン電話ケーブル)
4P ITPEV等(住宅情報化推奨ケーブル)
施工方法: LANケーブルは性質上とても細く、家の工法上でケーブルストレ
スが加わると品質が低下や断線する可能性があり、関連企業ではこ
れらを用いることを推奨しています。

一般的なΦ0.4〜0.65の銅線を使用可能な壁端子の場合、推
奨するケーブルはΦ0.5〜0.65を用いることが好ましい。

注意事項: カテゴリーランクについては、LANケーブルより下がるので、L
ANへの転用は10BASEが利用できる程度です。予算があれば
ISDNや電話配線も含めて全てLANケーブルで行っておくこと
を推奨します。

−−− 「端末」/「流し」施工方式について −−−
ISDNバスの場合はTAなどの兼ね合いや設計方法によって流し
/端末のどちらでも問題はほとんどないと思います。

電話は、例えばTAなどのISDN機器では個々にアナログポート
端子がいくつか出ているので、スター(端末)型の配線にしておく
とTAの内線機能などが生かせます。




・部材参考資料(端子:アナログ電話)
先に紹介したようにISDNの方も含めて、普通のアナログ電話用の端子を情
報コンセントに設置するように依頼します。普通の電話工事程度であれば従来
もやってきているはずでありますから、おまかせしてもいいと思います。ただ
ケーブルについては先に説明したように注意と指示をしてください。

具体的に電話端子について触れてみると、端子は2/4/6の3種類のコネク
タがあります。基本的に電話は2本線で成り立っており、2極タイプの一般的
なタイプで施工してもらえばいいでしょう。

ドアホンと電話機を連動させるドアホンターミナルや家庭内交換機などを利用
するには、6極タイプでフル結線する必要もありますので、利用する機器やメ
ーカーにご確認ください。

BS/CSデジタルのチューナーも双方向サービスや加入手続きなどで電話線
で接続する必要もあるため設置する部屋には電話端子が必要になります。
適正部材:電話端子 2極タイプ(一般的な電話でよく使われる)
電話端子 6極タイプ(ドアホンターミナルとの接続回線用 他)
電話端子 4極タイプ(利用する機器はほとんどありません)
施工方法: 下の注意事項にもあるように、全ての箇所にLANケーブルやIS
DNバス用の8芯ケーブルを配置しておけば、1ヵ所に対して1本
のケーブルでアナログ電話端子を最大で4つまで設置することがで
きます。

ISDNバスへの移行も簡単に行えますので、ケーブルの選択も端
子の選択と合わせて重要になります。

注意事項: 電話配線という指示では、最低必要線数の2本タイプで配線されて
しまうがよくあります。ISDNバスへの乗り換えも可能にしたり
ドアホンターミナルとの連動のため、必要な箇所または全ての箇所
には、上記に示した8芯の各ケーブルを配置しておきましょう。


・部材参考資料(端子:ISDNバス)
ISDNバス端子には普通のバス配線と終端につけらける終端抵抗内臓タイプ
があります。
適正部材:ISDN端子 一般タイプ(バス中間に利用する端子)
ISDN端子 終端抵抗内臓タイプ(バスの終端に利用する端子))

松下電工製「コスモシリーズ:WNT1881KW」(一般タイプ)
松下電工製「コスモシリーズ:WNT1882KW」(終端抵抗タイプ)

施工方法: ISDNバスは4線式でやりとりされているため、8芯のバスケー
ブルやLANケーブルが1本あれば、ISDNバスとアナログ電話
2本を最大で設置することができます。利用するケーブルは8芯の
各ケーブルを検討してみてください。
注意事項: ISDNバスは基本的に流し配線と呼ばれる方式で工事しますが、
ユーティリティーの観点からでは、LANと同様にスター型(端末
型)にしておくと便利だと思います。下の紹介ページを参考にして
ください。





− 参考.ISDNバスについて −
ISDNバスと家庭内LANの違いは、終端抵抗などの挿入の違いで、これは
TAに内蔵しているスイッチ切替型の終端抵抗を利用することで解決できます。
ISDNバスとしてLAN端子を利用する場合にもケーブル長が短ければ、特
に問題はありません。またTAなどのISDN機器もISDNバス端子となる
S/T端子を2つ以上設けているものもありますので、流し方式の本来のIS
DNバスにする必要もないでしょう。

逆にISDN端子からLANへの転用はクォリティーが低いことから困難です。
設計方法やISDNバスは、ISDN&電話ページを参考にしてください。


*** ワンポイント(コスト削減策) ***
ISDNバスの基本構成は8本の配線で構成されていますが、基本的には4本
を利用していて他は整合上の取り付けだけとなっているため、それらを有効に
使えば、ISDNバスやLANなどの4Pケーブル(8線構成)を1本配置す
れば最大で「ISDNバス/1端子」と「アナログ電話/2端子」を確保する
施工方法もあります。

LANケーブルは中に2本ずつねじられたペアのケーブルが4ペア入っていて
実際には2ペア(4本)しか使用しておりません。そこで残りの2ペアを電話
配線などに利用して費用を浮かせる方法もあります。

この場合、ISDNバスやLANの信号と電話信号が共存するため、電話には
特に漏話というノイズが混入する現象が発生する可能性が出てきます。これを
防止するため各線間での信号がお互いに影響しあわないように設計された端子
を「パワーサムタイプ」という製品が各メーカーから発売されております。

ただし、このパワーサムタイプは1本のケーブルで2つのネットワーク線路を
確保するためのもので電話用に設計されているものでは基本的にありませんか
ら、新築の際に最低必要なケーブルを設置して、メディアごとに単独で利用す
るおくことをおすすめします。

この手段は既存の設置ケーブルを利用して増設したいときに利用するものとい
うことを覚えておくと、将来役立つときが来るかもしれません。最初からこの
手段を利用すると将来性が確保できなくなってしまいます。




Last updated; 2007.9.1
Copyright (C) 1997-2007 Maruken's Homepage, All rights reserved. -- http://www.bitrex.jp/ --
/Top Page