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住宅情報化/情報配線
− 2−1.住宅情報化の配線の基本形 −
[× 従来の施工法]
例えばテレビ配線の場合、図の実線のようにアンテナやCATVからの信号を
部屋から部屋へ次々と送りまわす一筆書きの「流し」配線と呼ばれる方式で施
工するのが主流になっていました。
同様に電話配線も流し配線(電話の場合はブランチ接続とも言います)が多く、
電話を利用しているときに他の電話機を取り上げられてしまうことを経験した
方も多いでしょう。これはコストを下げることができますが問題点があります。
従来配線の施工例。実線は流し配線を示しています。流し配線の場合、各部屋
の信号レベルは部屋B−C−Dに進むに連れて信号レベルが低下し、最終的に
Dの部屋ではテレビの映りが悪い、といったレベル不均一の問題が発生します。
例えば将来的に部屋DにCATVインターネットのためケーブルモデムを導入
したい、またはISDNなどの導入により単独の電話配線を引きたい、といっ
た拡張時に、部屋Dに対して単独でケーブル配置をしなければなりません。
これはケーブルと配線構成のクオリティーが低いため、別にケーブルを配線し
なくてはならず、このような流し配線は住宅情報化に該当しません。
破線で示したものは端末型と呼ばれる構成で、テレビ配線の場合は天井裏など
に分配器を設置し、それぞれの部屋に個々に配線を行います。この場合には信
号レベルが統一され、例えばCATVインターネットサービス等への応用も、
天井裏の配線切り替えひとつで対応できます。
(これが住宅情報化の基本形で、以下にわかりやすく紹介します。)
[○ 住宅情報化における施工法]
住宅情報化では従来工法による基本的な問題を解決し、さらに将来にわたって
高いクオリティーで各種サービスが利用できる設計基準で施工を行います。
☆情報分電盤と情報コンセントの必要性
住宅情報化においては、家庭に入り込むテレビや電話、BS/CS放送、
インターネット回線や次世代マルチメディアなどの全メディア情報を、い
かに効率良く各部屋へ分配するかということがキーポイントとなります。
そこで登場するのが家庭に入り込むメディアを一ヶ所で集中的に管理・コ
ントロールし、各部屋へ分配する「情報分電盤」と、各部屋側の壁に取り
付けられる次世代型メディアポート「情報コンセント」が必須となります。
情報分電盤を基点とし、各部屋に対して各メディアのケーブルを1本1本配置
する「端末」配線方式(その形が基点からケーブルが放射状に広がり、★の形
に似ていることからスター配線と呼ばれている)にすることが特に重要になっ
てきます。これにより各メディア/各部屋ごとに独立してケーブルが配置され
るため、将来的な応用も容易に可能となります。
住宅情報化における配線の基本形。情報分電盤を中心に各部屋に向けて、それ
ぞれのメディアケーブルが効率よく配置されていることがわかります。各部屋
へ向かう灰色の部分は配管を用いて行なえば、ケーブルを保護や将来の配線入
れ替えの際に役に立ちます。
この配線施工図では、電話・情報系、TV系、家庭内LANやCATVインタ
ーネットといった情報系に全て対応できる基本構成であるため、この図を基に
実際のプラン作りに役立てていただきたいと思います。
ISDNバスは規格上、流し配線となります。ただしISDNを導入するとA
DSLには加入できないため、最近はISDN加入数は減少しております。
流し配線は応用が利かない方式であるため、ISDNバスの整備については、
今後も踏まえて検討してみてください。
Last updated; 2007.9.1
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